MCUXpresso IDE
ファーストインプレッション


2017年3月にKinetis Design StudioとLPCXPRESSOが漸く統合され、MCUXpresso IDEがリリースされました。(NXPウェブサイト:MCUXpresso IDE)
今回は、そのIDEのファーストインプレッションをお届けします。

MCUXpresso IDE

KinetisマイコンとLPCマイコンのための開発統合環境

MCUXpresso IDEは、基本的にLPCXpressoが基本になっているようです。そのため、LPCマイコンのSDK(LPCOpen)は既にビルトインで組み込まれています。

Kinetis マイコンへの対応は、Kinetis SDK(v2.2以降)の取り込みという形で対応しています。これは、Kinetis Design Studioのアプローチと同じで、ある意味柔軟な対応が可能かと思います。

LPCマイコンであっても、新しいLPCマイコンは同様にSDKでの取り込みとなっています

MCUXpresso Config toolが、ピンコンフィグやクロックのコンフィグレーションをGUIで手軽に設定を行うことができ、更に自分専用のSDKをMCUXpresso SDKで自動生成することができるため、今後の新しいデバイスでも自由度を重視したアプローチに対応していくのだと思います。

ライセンス

MCUXpresso IDEは、ライセンスフリーで使用することができ、またコンパイルサイズの上限もなく、ほぼフリーで使用することができます。 (NXP Development environment)

このため、ホビーユーザから企業の開発目的まで幅広く使用でき、まずはお試しでKinetisマイコンやLPCマイコンを使ってみることが気軽に行えるようになったと言えます。

Kinetisマイコンは、旧フリースケール時代からKinetis Design Studioでフリー環境及びコードサイズ上限もない環境が提供されていたが、LPCでは今回で漸くフリー環境が用意された形です。

デバッグ

デバッグについては、何と言ってもトレース機能をサポートしており、SWOトレースまで対応しているところは見逃せませんね。Proバージョンでは、更に、上位のデバッグ機能を提供するとのことです。

LPCXpressoでは、これらトレース機能はサポートしていましたが、Kinetis Design Studioではサポートしていませんでした。両方のマイコンでそれぞれトレース機能がサポートされるようになりました。

デバッグプローブは、Kinetis Design StudioでサポートしていたP&Eマイクロコンピュータシステム社のOpenSDA対応オンボードデバッガー、SEGGER社のJ-Linkに対応しています。また、LPCXpressoではLPC-LINK2-CMSIS-DAPデバッガに対応していますが、これも引き継いでいます。

特に、SWOトレースは、LPC-Link2でのみサポートされるデバッグ機能です。LPC-LINK2とは、使用する評価ボードのオンボードICEデバッガー(MCUXpresso対応CMSIS-DAPファームウェア)やLPC-LINK2ボードのことです。今後、SWOトレースについての記事も投稿していきたいですね。

感想

感想としては、Kinetis Design Studioと比べると若干軽快に動作する印象です。ま〜バグはまだあるでしょうが、かなり完成度は高いな〜と言った印象ですね。

でも、ライブウォッチなど、現在、特定のデバッグプローブやCMSIS-DAPでしかサポートされていないのは頂けないですね。

デバッグプローブの自動認識をしてくれるのは、いちいちそのプローブ設定を選択しなくても良い点は使いやすいと感じました。

LPC-LINK2ではSWO(Single Wire Output)サポートするのは、大きいですね。SWOトレースは、コアの処理ペナルティなしにデバッグ情報を出力する機能です。

以前からもそうでしたが、CMSIS-DAPは少しもっさり感があり、少々残念な点でもあります。CMSIS-DAP側のソフトウェアの問題だと思いますが、今後改善してもらいたいですね。

いずれにせよ、ライセンスフリーで使用できるので、私のようなホビーユーザーには嬉しいですね。サポートは、NXPのコミュニティがありここで解決できるケースは多いと思います。

かなり使えるという感想です。

今後、MCUXpresso IDEのTipsや使い方なども含めて記事を書いていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。
もし、良かった!と思われたら、シェアして頂ければ幸いです。